『STAND BY ME ドラえもん』

本人は特にお金出してまで…と思っていた作品なのですが、同僚が「大人のための映画だ」と強烈にプッシュしていたのと、娘たちに「何か観たい映画ある?」と訊いたら「プリキュア」と返ってきたので、そりゃ勘弁してくれと思い強引に本作に連れて行った次第です。観る前は、別にわざわざ3Dにすることもねぇだろと思っていたのですが、タケコプターのリアル体験ができただけでこりゃもう3Dの価値ありだなと。4才の次女は、既にこの場面で「パパ、こわい…」とベソかいてました。すんげぇ迫力です。

毎年のようにやっているドラえもんのシリーズと違うのは、あちらがキャストや基本プロットを使った創作ストーリーなのに対して、本作は原作のエピソードをベースにしている点です。事前情報によると、原作にあった7本の話を再構成して作り上げたそうなんですが、この脚本が実に巧い。訴求ポイントは大きく2つあって、「のび太としずかちゃんの恋の行方」と「のび太とドラえもんの絆」なんですが、そのために原作のエピソードをほんっとに「美味しいとこ取り」してるんですね。後者に関しては、ネタバレするまでもなく、あの原作の6巻~7巻の一連のエピソードのまんまです。そりゃぁ泣くわな。もし子供らが泣かなくても、俺らが泣くってばさ。こりゃもう、日本国民に刷り込まれた号泣スイッチだわさ…。

一方の前者ですが、こちらは本作をオリジナル作品たらしめている重要なファクターです。一般的には概ねのび太がしずかちゃんと結婚するというのは既定路線なわけですが、でも「あのグズと、あんだけ出来た娘がどうして…」というのは、フェルマーの最終定理よろしく世の男性諸氏のもはやトラウマとなっていたわけです。その「永遠の謎」を解き明かしてくれるところが、本作の唯一無二の価値と言っても過言ではありません。興味深いのはしずかパパの発言で、結婚を迷う娘を諭すように語る、彼がのび太を信頼するに足る理由のところです。自分達が現役で『ドラえもん』を読んだり観たりしていた時には意識できなかったんですが、のび太がプレシャスなのって確かにそういうところだよな、と合点できるのです。

なお、しずかちゃん最大のピンチでのび太が採った行動については、正直子供には理解できないだろうなと。自分も、カラクリが解るまでかなり時間を要しました。また小姑のようですが、あの「古き良き時代」のたった14年後の未来があんな世界になっているというのは、時代考証的にさすがにどぉよと。そして自分がとても残念に思ったのは、ラストのクレジットのシーンです。あの演出はね、はっきり言って「最悪」です。解ってなくて、単に「ジャッキー映画っぽくしようよ」と決まったんなら、制作サイドがあまりにセンスがないですし、解っててやったんならデリカシーがなさ過ぎです。

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