『プリデスティネーション』

イーサン・ホークといえば、確か『トレーニング デイ』の後に脚本家業を優先させたが故にユマ・サーマンに愛想を尽かされたんじゃなかったっけな…という記憶がありましたが、実際最近表舞台ではだいぶ鳴りを潜めていたように思えます。で、別に特段彼を観たくてチョイスしたわけではなく、正直観るまでは存在すらも知らなかったんですが、原作があのハインラインとのことで、『スターシップ・トゥルーパーズ』に大いに萌えた身としては、駄作は有り得ないだろうと。結果的には大いに満足した作品でした(監督もテイストも全然違いますが…)。

全編に亘りタイムパラドクスがテーマとなっていますが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』から筒井康隆の『笑うな』に至るまで(どんなチョイスの仕方だ…)タイムトラベルものは数あれど、この飛び道具感は半端ではありません。

時空を自在に超えられるエージェントである主人公。ミッションを帯びてジャンプした先で、数奇な生い立ちを持つ青年の話を訊くことになる…。この話がまぁ長いんですわ! おいおいこのまま終わりまで突き進んじゃうんじゃないかと思うほどに。まぁでも内容が面白いので引き込まれてしまいますが。

ネタバレをさせないのが自分のレビューの主義なので難儀ながら解説しますが、肝となる部分を一切隠しつつ、本作におけるサスペンスとしてのポイント(なりギミックなり)を挙げると、恐らく以下の4点になります。
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1). 青年の運命を変えた男の正体
2). フィズル・ボマーの正体
3). 青年の出生の秘密
4). 主人公と青年との関係
(0).として、青年のフィジカルな事情がありますが、それは冒頭すぐに明かされるのでカウントしません)
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自分は割とあっさりと騙されてしまうというか、仕掛けに載せられてしまうクチではありますが、1).と2).に関しては、ストーリーの進行具合で「ふむふむ、多分そういうことだよね」と、ネタバラシの手前でちゃんと合点することができ、満足です(なんと低レベルな…)。しかし、4).に関しては完全に予測範疇を超えていました。無理が通れば道理が引っ込むとは言うが、そんなのアリかよと。

いや、無理が通るといえば、3).が最も衝撃的ですが、あまりに淡々と「はい、ここはこういうことなんで、深く考えずに流してください」的な描かれ方をするもので、観てる最中はスルーしてしまいました。正直ド肝抜かれ過ぎて。劇中「鶏が先か、タマゴが先か」というセリフが出てくるのですが、タイムパラドクスもここまで徹底して突き抜けると清々しいものですね。

ただしあまりに突き抜けすぎて、プロットとして、またストーリー展開上に齟齬がないかどうか、観ている最中も、観終わった後に思い出してみてもどうもスッキリしません。本当にこの話って辻褄合ってんのかなと。しかし、それは我々が時間というものが不可逆であると、そして同じ時間を違うタイミングで同時並行的に過ごすことができないと信じているからこその違和感であって、そこがクリアになれば物理的な条件としては恐らく齟齬がないのです。ただ、はっきり断言できないのが気持ちの悪いところなんですが…。

最後に、あまりリアルタイムで映画を観ない身としてはよくあることなんですが、自分の知らなかったきれいな女優さんを発見すると嬉しくなりますね。本作におけるサラ・スヌークは、自分にとってはアマンダ・セイフライド(orサイフリード)以来の大ヒットでした。ジョディ・フォスターの面影がある、知的で地味目な美人。たまらん!

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