『ワイルドシングス』

そういやこんな映画もあったなぁと、ジャケ写を観てぼんやり感じたのですが、さすがに18年も前の作品だとは思いもしませんでした。単にちょっとエロいだけのお手軽サスペンスかとナメて観始めたんですが、これがまぁ180度どころか一周通り越しちゃう540度レベルのドンデン返しムービーでして、制作サイドのドヤ顔が見えるようです。…って、製作総指揮がなんとケビン・ベーコン。きっとカンのいい人は、その時点で「傾向と対策」が出来ちゃうんでしょうが、自分はかなりギリギリまでまんまとノせられてしまいました。
先にキャストを紹介してしまうと、先ずはネーヴ・キャンベル。自分『スクリーム』って全く観たことないんで、顔だけしか知りませんでしたが、演技は普通に及第点超え。そして次にデニス・リチャーズ。『スターシップ・トゥルーパーズ』と言われると、なんとなくあぁそうだったかしらと思うものの、あれはハリボテの群れが主役の映画なんで、やはり思い出せませんw。ともあれ、他でのキャリアとか、チャーリー・シーンの元嫁だとか、そんなのはどうでもいいです。とにかくエロ可愛い! シャレにならん。ストーリーはいいからもっとエロシーンをくれ(爆)。で、あとは野郎なんで興味ないですね。マット・ディロンって、ただのイケメンじゃん。

で、こんな「観客ダマしてナンボ」の作品をネタバレ極力ナシで紹介するってのが、既にミッション・インポッシブルなんですが、そこはなんとか上手いこと。本作、どこでレビューを見ても「二転三転」だの「四転五転」だの、罠の数だけに感心したり呆れたりしていることが多いんですが、冷静に分析すると、最初のチャブ台返しである裁判直後の真相ネタバラシが一転で、あとは最後の最後でそう来たか!となるオチに至るまでの展開は、全部でまとめて一転というのが本質的な構成なんだろうなと。つまり、大きくは二転で、後半の矢継ぎ早なドタバタはサブルーチンみたいなものかと。で、多くの人がこの後半のマトリョーシカみたいな作りにリアルタイムで食傷していくようですね。言ってしまうと、本作は恐らく先ず目的ありきなんですよ。それがつまり、最後まで絶対に真相を見破らせないことなんです。その「KGI:してやられた感の醸成、KPI:騙し率100%」みたいなのがあっての展開なので、一度観ただけでは「どうも整合取れてない気がする」という、納得出来ない感がモワァンと残ってしまうんですね。

しかし、一度しか観てないし、もう二度と観ることもない自分がエラそうに言うのもなんですが、これは俄かサスペンスマニアが小馬鹿にできるような作品ではないです。というのは、普通の人間が一度観終わった時点で完全に全貌が判るような難易度にはなっていません。それくらいは複雑に練ってあります。終わった瞬間に、どうも判然としないこの残尿感のようないやぁな心象。これこそがサスペンスの醍醐味ではないでしょうか。例えば、本筋とは直接関係ないんでしょうが、サンドラの旦那が死んだ理由とか、ラストでワニ男がスージーの持っていたヨットを処分する際のやけに冷静な態度とか、とにかくちゃんと観客に提示されていないであろう背景がかなりあるのです。その割には、主要人物達の攻防が激し過ぎて、ドッキリ命みたいな作りに感じられてしまうのが残念です。

実際見終わった直後にやらなければならないのは、「どの時点で誰がどこまで事情を把握していたのか」を検証する作業です。これをやらないと、本当にドッキリありきでテキトーに作られた作品なのか、それとも予想以上に緻密に作られているのかが判断できません。個人的には、相当無理に組み上げたプロットであるという印象はありますが、しかし破綻があるようにまでは思えません。真犯人が何をやりたかったのか解らなかったとか、効率悪いとかって意見が見受けられましたが、それぞれの事象にちゃんと動機はあったしそれなりに描かれてもいたと思います。ただ、土俵に乗ったキャストが全員シナリオ通りに動いてしまうというフィクション感だけは、どうにも払拭できませんが。

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